『町でうわさの天狗の子』第12巻感想【ネタバレなし】

すっかりご無沙汰しております、きどころです。
2014年1月に発売された第12巻を以って、岩本ナオ『町でうわさの天狗の子』が完結しました。
大好きな作品なので、嬉しくもあり寂しくもあり、複雑な心境です。
ですが、個人的には本当にいい完結の仕方をしたなと感じたので大いに満足のいく作品だったと思います。
まずは、ネタバレをなるべくしない観想をしたためます。

9巻で描かれた、秋姫の天狗の力の暴走から、奈良に眠る鬼の秘宝をめぐる抗争、秋姫の存在を食い尽くそうとする”天狗”(あまつきつね)など、不穏な空気が垂れ込めていた物語ですが、それらを晴らす爽やかなクライマックスでした。
秋姫の父・大天狗庚徳坊にすらどうすることもできない難題を打破する、という目標を「秋姫を救いたい」という結束の下に達成するのですが、不覚にもうるっときてしまいました。
また、”天狗”に飲み込まれようとする意識の中で見た、クラスメートとの日常の思い出や、物語の最後で描かれる学校での様子などから、”天狗の子”としてではなく、”刑部秋姫”という一人の女の子として皆に愛されていて、「毎日 家出るときとか 学校から帰るときとか いつも思ってる」「誰か私のこと 好きになってくれたらいいのに」という願いが、とうの昔に叶えられていた事も、本当に幸せな結末で非常によろしかったです。
文脈的に、「誰か私のこと好きになってくれたらいいのに」は携帯小説のフレーズなので、誰か”男の子”が好きになってくれたらいいのに、という意味合いが強いと思います。ですが、作品序盤は普通の女の子としての扱いはあまり受けておらず、高校のクラスでも浮き気味だった秋姫が徐々に生まれ持った境遇に縛られない、一個人としてコミュニティに受け入れられていったことを考えるとここでも”好き”は必ずしも男女間のものでなくてもいいのかな、というのが私の感想です。

あとはもう、本当に個人的なしょうもない感想なんですが、金ちゃんがほかのどの男性キャラクターよりも男前でした。
脇役が本当に濃い作品だったことを印象付ける活躍です。

ひとまずネタバレなしの感想はこれくらいです。
ネタバレを含む感想はまた後日投稿します。

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