Posts Tagged ‘マンガ’

普通志向のお山の子――『町でうわさの天狗の子』考

2011/01/21

明けましたおめでとうございます(事後)、きどころです。
本年もごういんまいうぇいさぶかるちゃーをよろしくお願い致します。
2011年最初の記事は、岩本ナオ作『町でうわさの天狗の子』をご紹介いたします。
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これから読む人の為の萩尾望都

2010/12/29

2010年最後の更新は、昔取った杵柄で大変恐縮ではございますが、私が学部から大学院で専攻して研究しておりました、少女マンガの表現のパイオニア・花の24年組の一人、萩尾望都の作品について、つらつらと書いていこうと思います。
昨年デビュー40周年を迎えた萩尾氏は、当然ながら非常に多くの作品を発表しています。
中には、高く評価されているもののクセが強く読みにくい作品、あまり注目はされていないけれども非常に面白く注目に価する作品などもあるわけです。
今回は、「とりあえず話に聞いたことはあるけど、どれから手を付けたらいいのか分からない」という方に向けて入手しやすく、導入として取っ付き易い作品を収録した文庫版を紹介していきます。
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トレパクに関する雑感

2010/08/3

すっかりご無沙汰しております、きどころです。
諸々が長丁場過ぎて心がへし折れるかと思いましたが、何とか生きております。

さて、今回の記事はイラストやマンガのトレースについての話をしようと思います。
つい先日、発行した同人誌及び作品を公開しているウェブサイト上のほぼすべてのコンテンツが他の人の作品や、プロの写真家による有料の素材用写真のトレパク*なのではないか、という疑問が投げかけられている割と悪質な同人作家のまとめ記事を読みまして…。そもそも、同人誌などにおけるパクリ・トレースの問題は昔からあり、検証サイトのリンク集**も存在しているほど根の深い問題といえます。
また、糾弾する掲示板においても「何が問題なのかわからない」「二次創作自体が大体原作のパクリなんだからそれぐらいいいじゃない」という書き込みがあり、私個人として思うところがあった為、筆をとった次第です。
*トレースによるパクリの省略形で、他人の作品のトレースで作られた作品を指す
**盗作問題検証リンク集
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京都精華大学国際マンガ研究センター第一回国際会議

2009/12/19

12月18日、今日と国際マンガミュージアムで開催された、京都精華大国際マンガ研究センター主催の国際会議に参加してまいりました。
諸般の事情で、前半の次世代シンポジウムにしか出席できなかったのが悔やまれますが、とりあえずは次世代シンポについてまとめてみようと思います。

本シンポジウムは、「世界のコミックスとコミックスの世界――グローバルなマンガ研究の可能性を開くために」と銘打たれ、外国人研究者や、翻訳・海外マンガ研究で活躍中の若手研究者による日本のマンガのみによらない、世界に開かれた場としてのマンガ研究に関する提言を主題とした、マンガを研究する上での新たな枠組みについてを考えるための研究発表およびディスカッションが行われていました。

次世代シンポジウムは、合計6人の研究者によって発表が行われ、マンガ論の枠組みの今後を考えるにはどうしたらいいか、今現在世界中に存在する”マンガ様”の表現メディアを学術的に語るにあたっての”手落ち”の指摘など、非常に示唆にとんだものでした。
その中でも、ネラ・ノッパ氏とパトリック・W・ガルバレス氏がそれぞれ議論の対象とした、ファンアート、おたく文化に関する発表が個人的に非常に興味をそそられました。
大まかな発表内容は

ノッパ氏
・マンガを論じる際には、”プロ”として出版社から作品を出版している作家のみが注目されがちだが、アンダーグラウンドとして押しのけられている二次創作(ファンフィクション等のファン活動)の流れも非常に大きく、無視するべきではないのではないか。著作権という法律に抵触するから、という理由で黙殺していては、かつてアカデミックな場において”コミック(マンガ)研究”が軽視されていたことと同じ轍を踏むことになりかねないのではないか。

ガルバレス氏
・二次創作もオリジナルも含む同人活動は、かつてのアングラとしての劇画と同様、メインストリームのメディアとしてのマンガからは切り離されたエッジの部分として、より個の欲望に接近したクリエイティヴセンターとしての役割を果たしている。また、同人活動からプロになる=アングラで修練を積み、スキルアップすることで、メインカルチャーにも通用する実力を得て表舞台に立つ作家もたくさんいることから、同人というアングラ部分も、出版されたマンガと同様に研究対象として考慮に入れるべきである。

いずれも、何か大き業績やインパクトを伴った作品・作者を扱う、権威主義的なところがあるマンガを論じるフィールドに対する疑問を投げかけています。
確かに、話題になるのは時代を変えた、あるいは表現のあり方を変えたとされる作家や作品が注目される傾向にあり(当たり前のことですが)、アマチュアの作家や著作権ギリギリの部分にある二次創作としてのファン活動は、まだまだ十分に語られていないな、とは感じられます。
両氏とも、権威付け云々以前に、プロもアマも描いているのは”マンガ”の様式の作品なのだから、同等に考えるべきではないか、と述べていました。
私個人としても、二次創作的な作品(マンガなりイラストなりいわゆる同人グッズなり)を作る、という経験も含めた読書経験――石田佐恵子*によって指摘された、より深い作品世界への耽溺としての模写、という文脈とひきつけると、二次創作物も読者が作品を読むことで感じた欲望をアウトプットする、という意味で模写同様の作品への耽溺と理解できます――であると考えていますので、作品受容論の側面からも、こうしたおたく活動は論じられるべきだと考えております。
対象の裾野があまりに広過ぎる、という問題や一次資料としての同人誌の入手が難しい(論者は所有していても、論文読者が入手できるとは限らない)という問題があるので、一朝一夕で論じることは出来ないとは思いますが…。
タフな課題である分、語る上での可能性は多いにあると考えられます。

*石田佐恵子「〈少女マンガ〉の文体とその方言性」『コミックメディア 柔らかい情報装置としてのマンガ』1992年 NTT出版

書籍を持つ、ということ。

2009/11/8

http://4510plan.jp/360/newscolumn/11248/
相方から投げられたこの記事、なるほど確かにマンガをデジタルベースで読むための地盤が整いつつあるってことですね。
しかしまあ、デジタルと紙と双方に利点はあるし、どちらがメディアとして正しいのか?という議論はナンセンスなので、ペーパーレスでお得感漂うデジタルマンガの技術が台頭しても、相変わらず紙媒体の単行本が出版され、デジタルベースで発表された作品さえも書籍として単行本化されるのか?デジタル化の時代に紙媒体で出版することの意味についての意見を書き散らしてみたいと思います。
記事に関しては、デジタルで原稿を作る、という点とデジタルベースで作品を発表する、という点が綯い交ぜになっている感がしますが、ここではデジタルベースでの作品発表云々に関してのお話をしようと思います。
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『ねこにゆ~り』kodomo兎

2009/10/2

知人が編集で一枚噛んでおりました、kodomo兎氏の『ねこにゆ~り』についてレビューを書いていこうと思います。
ちょっと書評めいたことは初めてなので、ドキがムネムネしております。ムネムネ。
ついでに、萌え四コマは普段あまり読まないジャンルなので、ジャンル内の流行やら動向がよく分かっていない部分があり、適切な評価が出来るかがかなり怪しいところです。一マンガ読みのたわごとと受け取っていただければ。
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